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村上春樹のチャンドラー方式は音楽家のためにあると思う

投稿日:2017年04月11日 更新日:

ものを作ることの苦しみについて悩んだことのある人は、ネットの検索なんかで村上春樹のチャンドラー方式というものについて読んだことがあるんじゃないかなと思います。

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僕もネットで知ってから本を読んだのですが、長い間とても重要な考え方として役立っています。

そもそもチャンドラー方式とは村上春樹がエッセイ「村上朝日堂」の中で言及した自身の執筆における習慣あるいは考え方です。レイモンド・チャンドラーが著書の中で書いたものを村上春樹が読み、そこから彼の作家生活に取り入れているのでチャンドラー方式と名付けられています。

かいつまんで言うと、
作家、小説家として生きている以上、1日3時間は執筆にむかわなければならない。仮に書けないのならば、せめて書かなくていいので、他のことはせずに、その時間 机に座っていなければいけない。
というものです。

今日は書けないから散歩に行こうとか、やる気がでないから映画をみようとかではなくて、5時間座っていようという考え方。

つまり仕事に対して極限まで負の感情、追い立てられる感情をなくした上でそれでも逃げはしないというラインの設定です。

これが、音楽をやっていても頻繁に役立ちます。

毎日決まった時間になったらブラウザーを閉じてDAWと機材を立ち上げて机に座る。そのまま毎日5時間はそうしている。全然作れなくても、時間が無駄に過ぎていくように思えても、せめてそこに座っている。音楽家だから。

そうやって座っていると、全然すすめられなかった曲も徐々に糸口が見えてきます。以前書いたスモーレストステップに照らし合わせても、考えられる最初のステップがまさに机に座ることだと思っています。

DTMも作曲もバンドも(たぶん他のほとんどの創作活動も)最初のうちは楽しくて仕方がない。新しいことを覚えてうまくなるのが分かるし、上手くならなかったとしても好きなことをやっているわけだし。

ところが、ほとんどの場合、人に評価をもらうようになって、お金をもらうようになって、作ること自体の外側に目的や喜びが現れだすと少しずつプレッシャーや焦りが絡み合って、シンプルに楽しめていた時期は終わってしまいます。

生業として創作をやるっていうことはまさにそこがスタート地点で、「あー、あんなに楽しかった音楽はどこにいったんだろう?」って思いながらそれでもやってるってことは、自分が作ったものが生み出す苦しみの中に良くも悪くも足を突っ込んでるってことだと思います。

だからせめて今日は作れなくても、5時間だけは机の前に座っていようと思います。

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