シンセをいじってるときや、EQやコンプで音を作っているとき、あらゆるDTMの作業のなかで重要なこと書いておきます。
それはズバリ、A/Bテスト。
A/Bテストとは現状やっている作業と、やる前の状態を常に比べながら作業をすることです。
そこにキックがある。
とりあえずEQでいい感じにして、コンプでいい感じにしてヤバイキックができたぜ!と満足してたとします。
しかし作業が進んでいく中でふとキックの音が気にいらなくなって、もう一度キックを作り直そうとしたところ、
EQもコンプもかける前のもともとの音の方がヤバイじゃないか!ってなったことありませんか?
僕はあります。
これって原因はプラグインを操作しているときに、A/Bテストをしながらすすめなかったからです。
作業に没頭してしまうとついついパラメーターの値をいじりながら変化していく音に夢中になってしまって、もともとレコーディングした素材やサンプルやプラグインシンセが持っていた良い部分をだめにしてしまってたっていうパターンです。
バウンス前だったらプラグインを外せばいいですけど、バウンスしてしまったあとだったら、気づかないまま作業はすすんでいきます。
気づいたら気づいたで、そこにかけた時間とさっきまでの自信のことを思うと精神的に結構つらいです。
精神的安定は大事にしないといけません。時間はもっと大事です。
でA/Bテスト。
まずもっとも一般的な方法はプラグインのバイパスです。
写真はLogic付属のコンプですがバイパス状態になっています。ここのonとoffを繰り返しながら今やってる作業はやったほうがいいことなのか、あるいはやらない方がましなのかをチェックしながら作業をしていきます。
さらにその隣に比較というボタンがあります。
これはプラグインを開いた状態とパラメータの値を変えたあとを文字通り比較するボタンです。
(このLOGICの機能に関してはプラグインによって挙動がつかめないのと慣れないのとで、実は僕はあんまり使ってません…)
よくDTMのチュートリアル動画なんかでも有名なエンジニアがちょっとしつこいくらいオンオフ比較をカチカチやってるのを見ます。
ここで注意する点がもうひとつ。
A/Bテストする際には、このプラグインで言うとGainのところを調整して、バイバスしたときとしていない時の聴感上のボリュームが同じになるようにしておくことです。
人間の耳は音が大きい方をいい音だと思いこんでしまう傾向があります。
だからコンプをかけて音が良くなったと思ってたら実は音が大きくなっていただけだったなんてこともあるんですね。
WAVESのプラグインであればほとんどの製品にA/Bボタンがあります。
Setup AというボタンをおすとAとB2つのパラメーターの状態を切り替えることができます。
まずAの状態で立ち上がってますので、パラメーターを調整して、A→Bボタンを押してそれをBにコピーします。
で再度Aを操作して都度Bと比較する。
これをやることで作業の堂々巡りは圧倒的に減ります。結果的に作業のスピードと質も上がります。
Gainを調整して音量をあわせることを忘れずに。
ほとんどのプラグインにA/B比較をするためのボタンがついていることは音楽制作にとってこれがいかに重要な事かを表しています。
大事なことは
比較するポイントを常に用意しておくこと。
ワンタッチで比較できるようにすること。
同じボリュームで比較すること。
[…] ブラインドテストはこの記事で書いたA/Bテストと同時にやるのが効果的です。 […]