DTMやってる人はみんなPCで音楽を作ってるわけですから、ずっとディスプレイをみながら作業をしているわけです。
今日は判断のたびにディスプレイを見ないことで作曲の質もミックスも向上するってことを書いておきます。
人間は驚くほど視覚にたよって考える生き物だそうです。
だからコンピューターで作曲をしていても耳で作っているというよりむしろ目で作っいるような感じさえあります。
これって今に始まったことではなく、ピアノと譜面しか作曲ツールがなかった時代の作曲家さえピアノの鍵盤と譜面に書かれた音符の作る視覚的な印象が実際の音に与える影響から逃れるのに悩んだそうです。
今の時代だとなおさらですよね。
メーターが全然あがって無いからこの音は小さいはずだ。
スレッショルドのノブが下まで行ってるからコンプがちがちにかかってるはずだ。
こんな感じで音を聴かなくても多くのことが判断できてしまいます。
結果的にバウンスして2mixされた音をipodのイヤホンで聴いて初めてキックが大きすぎることに気づくていうようなことも起きます。
まあ、それは極端ですけど、そういった小さなミスが視覚にたよって作業を続けていく中で何度も起きているんです。
なのでミックスの質を上げるには、いかにDAWの画面から離れるかということがひとつ重要な要素になってきます。
これに関しては結構いろいろメソッドがあります。
今日は特に周りのエンジニアもよくやってる方法を2つ書いておきます。
1,ディスプレイを消す
ちょっと1つ目が直球すぎかもですが、この効果はすごいです。
特にダンスミュージックのクリエーターの人はグルーブが出てるか?、乗れるか?っていうのをディスプレイを消してから確認してください。
なぜそんなに効果があるかというと、
ディスプレイのDAW上でトラックが進んでるのを見るだけで感覚として曲が進んでるっていう印象を強く持ってしまからです。
グルーブが停滞していても、あるいはメロディーに推進力がなくても、視覚的に進んでいくDAWの画面やタイムルーラーの数字が目に入ってしまうだけで曲が進んでいるように感じます。
あるいはツマミがたくさんついたシンセが画面上にあるだけで曲の情報量が十分にあるように錯覚してしまいます。
そこでディスプレイのスイッチをオフにするんです。
あるいは
ブラウザーをたちあげてネット画面をフルに出した状態でそのバックグランドでDAWを走らせる。
それをやることで本当にその曲が進んでいるかがわかります。
進むという印象を視覚から排除すること、これで曲を走らせることができるよになります。
2,ブラインドテスト
ブラインドテストはこの記事で書いたA/Bテストと同時にやるのが効果的です。
つまりセッティングAとセッティングBを比較する時にプラグインのパラメータを見ないこと。
もっと言えば今現在セッティングAなのかセッティングBなのかを自分で分からないようにして比較することです。
具体的には、コンプで2つのセッティングのうちどちらがいいかを比較するとします。
WAVESなら”setupA”というボタンを押すことでAとBが切り替わりますから、それをぱちぱち押しながらどっちだろうと判断することになると思います。
順に説明しますね。
1.まず比較する2つのパラメータのセッティングを完了させます。
2.目で見ながらA/Bを何度か切り替えます。
3.ここで目を伏せます。
4.マウスの位置は動かさずに目を伏せたままA/Bボタンを何度か切り替えます。
5.これによって画面を見ない限りAなのかBなのかわからなくなります。
この状態で2つのセッティングを切り替えながらどちらが良いかの判断をするんです。
プラグインのパラメーターやつまみの値というのは、どのくらいの数値であったとしても視覚サイドから音の印象に影響を与えます。
そして当然リスナーやクライアントはそのパラメーターを見ません。
これらの方法はすごく効果があります。
音以外の判断に影響をあたえるものを排除すると気づかなかったことにもたくさん気づけるっていう楽しさもあります。