ミックスしていく上で最初にやることはそれぞれのトラックのボリュームを決めてバランスを取ることです。
これにはエンジニアごとに結構ちがったりするんですが、僕が一番しっくり来ている方法を書いておきます。
一旦リセットする
現在ではほとんど人がDAWでミックスしていると思います。
そうすると作曲とミックスの境界線がありません。
なので作曲、アレンジをしながらミックスも進んでいきます。
結果的に作曲、アレンジの完了がミックスの完了を意味するという状況は結構あると思います。
ただ市場に出回っている多くの音楽は、そこから別途ミックスの工程に入るという現実を忘れないようにしないといけません。
作曲、アレンジが完全に終わったと思える時点でセッションファイルの名前を変更して保存しここからはミックスと自分に宣言しましょう。
最初にキックを決める
これは多くのエンジニアやトラックメーカーで共通しているようです。
キックの音量をまず-10dbくらいに定めます。
-10dbでなっている状態のキックというのは感覚的には少し小さすぎると感じるかもしれません。
ただ他の音ががんがんに乗っかってくるようなトラックでもキック-10dbという部分を維持してミックスすればクリップすることなくマスターまで行けます。
曲を作り始める際にもキックの音決めは最初の方でやるケースが多いと思います。
その際にキックを-10dbでならすようにして他の音もそれを基準に作ってくとミックス段階になってから全体にのボリューム下げに手間を取られなくて済みます。
ここからは曲によってかわる
ここからはこれが正解という順序は無いようです。
実際に人によっても違うし、同じ人でも曲によって違ったりします。
しかし幾つかの基本パターンにはわけられるようです。
図で示すと以下のようになります。
もちろん曲によって構成要素は変わりますので大まかにキック、ドラム(キック以外)、ベース、中音(シンセ、鍵盤、ギターなど)、ボーカルに分けると仮定します。
つまり常にキックからスタートする。
その後ドラムを組んでベースを決めるか、あるいはその逆か。
さらに
そこから中音を決めてからボーカルを決めるか、あるいはその逆か。
おおまかにこのまとまりは共通です。
これをその曲調で重視する点を考えながら辿って行きます。
ボリューム上から下から法
ここで役立つTipsをひとつ。
たとえばサイドでなってるギターリフの音量を決めたいとします。
で今そのギターをどのくらいの音量にするか迷っています。
まずボリュームを一番下までさげてからスーっと上に上げていきます。
いい感じになったところの数値をメモります。
次に明らかにデカすぎるっていう位置からスーッと下げていきます。
そこでいい感じになったところの数値をメモります。
この2つの数値がおなじだったらそこに定めます。
違えばこの間のなかで考えます。
この方法はボリュームぎめで迷った時に役立ちます。
作曲作業からの延長で鳴り続けている音の大きさが正しいかどうかを判断するのは実はとてもむずかしいです。(ついやってしまいがちですが)
一旦明らかに小さいところまで下げてそこから上げる、逆に明らかに大きいところまで上げてそこから下げる。
その2通りの方法で判断することで客観性を取り戻せます。