今回はオーディオジャングル用に曲を作る際、あるジャンルの中でどういう曲をつくるのが合理的かを考えてみたいと思います。
以前この記事の中でどうやってAudioJungleで作る曲のジャンルを考えるかを書きました。
記事を書いた時点(2017年4月)ではヒップホップを作るのが賢いと。
現状も同じような状況が続いていますが、最近ではさらにFunk系が上がってきています。
みんなが月40曲売れる曲を目指している
一つのジャンルを1ヶ月以内のリリースに絞ってソートしてセールス順に見ていきます。
最初の方のビッグセールスを上げている曲は40から50曲くらい月内で売れている曲です。
これらの曲は1ヶ月が過ぎても売れ続けるケースが多いです。
そして登録しているクリエーターはみんなそういう曲を作ろうと日々努力しているのです。
その結果何がおこるかというとその曲に似た曲が沢山作られます。
ここで重要なことは、40曲1ヶ月で売れている曲というのは往々にして偶然が作り出した要素も持っています。
そういった曲に似た曲を作ってそれに準じた売上をあげようと考えても実はすごく難しいのです。
Aというジャンル内トップの曲があったとします。
それでそのAに似たA’という曲を作ったとします。
A’もかなり完成度は高く同位互換と言ってもいい。
それだけ単体で聴いたら結構売れそうな感じがする。
ところが実際のところ
40曲売れているAに似たA’はほとんど売れないというのが今ままでの実感です。
何故か?
すくなくともA’が売れる条件はAよりも明らかにいいこと。
A’の方が明らかに高品質であるならAを差し置いてA’を買う理由には成り得ます。
しかしほんのちょっとでもAの方が良ければA’を買う理由はまったくないのです。
しかもAが40セールスのモンスタートラックである以上そうそう簡単にそれ以上の曲を作ることはできません。
なので試行錯誤した結果Aとほぼ同等の作品を作るところがやっと。
頑張って同等のトラックを作っても求められるクオリティーに対して得られるものが少ないのです。
さらにもうひとつ
Aを買った人にはもうAのようなトラックは必要ないということです。
Aが売れた時点でその買い手にとってその重要は満たされているのです。
そうするとこのA’はますます売れにくいものになります。
7、8セールス売れている曲を目指す
では何を考えて曲のディレクションをつければいいか。
ランキングを上から順に確認しながら、売れている曲の中で明らかに上位互換を作れる曲をリファレンスにつくるということです。
例えば8曲売れている曲があったとします。
自分だったらこの曲に近いけど明らかにこの曲よりいいモノを作れるというものを見つけ、それを作ることです。
ビッグヒットをねらって40狙い50狙いは売れません。
5から8位を狙うのです。
さらにもう一点ここで忘れてはいけないことがあります。
その曲が、そんなに高くないクオリティーであるにも関わらず8曲売れている理由は何かということを考えることです。
・曲の上で声がよく通る(声の周波数帯が空いている)
・バージョン違いが6つも収録されている
・作者のブランディングがうまい
といった分かりやすいものから
・執拗にベースラインが全面に出てくる
・ハイハットが全然ない
・セクションのつなぎ目が完全に切れている
といった一見マイナスポイントであるような要素が売れる理由になっていたりもします。