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話題の書籍「アイデア大全」は作曲大全だった

投稿日:2017年05月18日 更新日:

出版されてから欲しくてたまらなかったものの、帰国するチャンスも当分なかったのでAmazonで買って自炊業者に送ろうかと思ってた矢先Kindle版が出てました。

アイデア大全という本、いま巷ですごい話題になっているんですが、僕はこの本の作者の読書猿さんのブログのファンなんです。

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ちなみに読書猿さんのブログはこちらhttp://readingmonkey.blog45.fc2.com

例えば長い数字を記憶する方法の投稿があるんですけど、僕はこれすごく活用させてもらっててベルリンでの自分の生活に必要なバスのナンバーほとんど暗記してます。
あと使ってるスマホの全長なんかも暗記してます。これを覚えてるとちょっとしたスペースの大まかな長さを図るときなんかにiPhoneがいくつ入るかですぐに測れるんです。

脱線しましたがこの「アイデア大全」はいろいろなアイデアの発想法を多岐にわたるジャンルから集めて来て具体的に、その引用元や用法、実例を列挙してある本です。

アイデア出しという側面と同時に、その過程での思考のプロセスを楽しもうとしている著者の姿勢を強く感じます。

最初の発想法として「バグリスト」からはじまるのですが、個人的にはこの始まり方からすでに興奮しました。

このブログ内のこの記事(毎日、淡々と制作できる人になるために心がけていること)で以前、たんたんとスモーレストステップをこなしていくことで制作や作曲やらをすすめて行くことの優位性を書いたのですが、
ほぼ毎日、あるいは数時間おきやるのおきまりのスモーレストステップがまさにこれと同じことなんです。

つくっている作品、曲、演奏セットに対して、
やらないといけないこと、こころに引っかかっていること、何となく嫌なこと、何故か頭をよぎったこと、プレッシャーや制作ストレスの原因になっているかもしれないことなどを10分間ですべて書きだすことから始めるんです。

スモーレストステップ1つが概ね10分。
50分のセットを6セット毎日こなすことが僕の制作ノルマなのですが、この最初の「全部書き」、アイデア大全の言葉で「バグリスト」を最初のスモーレストステップとして設定することで確実にいくつかのステップを導き出すことができます。

これって辛くても作り続けられるかどうかっていう部分にも深く関わってきます。

何となくうまくいかない、作れないっていう事態の中身を開かずにただ悶々としているという状態は、ある種あらゆる作家にとって必要な時間に見えるのですが(実際必要なのかもしれませんが)、生産的でないということに加え消費する時間とパワーが大きい。

兎にも角にもいつも最初にやることが最初の発想法だったことが嬉しかった。

それから過去の僕自身の投稿とつなげられる発想法だと6つめのランダム刺激

本や辞書やネットをランダムに開いて発想を得るというものなんですけど、これこそまさにこの記事で書いたiTunes作曲法のジェネラルバージョンです。

製作中の曲をループさせながら4小節毎に膨大なiTuneのライブラリをシャッフルで再生させ続けるという方法です。

この効果は絶大です。
自分の想像力や想定力の外側から来る発想は、直接的にその制作に与える影響に加えてそのアイデアに対応することよって得られる新しい技術の習得までもたらしてくれます。

コンピューターの容量がすくなかった2000年頃までは到底不可能な方法だったという点もおもしろい。

ランダム刺激が効果を発揮しはじめる素材の母数には閾値があるように感じていてコンピュータの容量を気にせず音楽をどんどん取り込んでいけるくらいにHDD容量が上がってからはじめて可能になった方法です。

大量にレコードやCDを所有していても矢継ぎ早に冒頭だけ聞いてスキップし続けることはできなかったですし。

つまり今だからできる方法だということ。

DAW(DTM)がどんなに発達しても、頭の中で音楽をならすことができる以上はその延長のツールだったと考えられるのですが、ランダムを大量に自由に持ち込めるというのはそことは違う次元での作曲と考えることもできます。

ちなみこのランダム刺激に似た発想法は僕の知る限り音楽の世界でよく見られます。

先の記事で書いたヤン富田やジョン・ケージによる「チャンスオペレーション」もそうですが、ブライアン・イーノが作った「オブリーク・ストラテジー」も同じようにカードに書いた指示書をランダムに引くことで着想を得るというものです。

2つだけ上げましたが、他にも作曲に役立つ手法がたくさん乗ってます。

多分制作に苦しんだ経験が多い人ほど手法の使い方が見えやすいのではないかなという気がします。

すべての音楽家におすすめします。
もう何年も音楽作ってて、初期衝動みたいないものはとっくにどこかに置いてきた人には特に。

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