自分が作ったものにたくさんの人がハマってくれてる状態を作ることができれば基本的にはアーティストもミュージシャンもクリエイターも食べていけるわけですけど、このハマるっていう状態をどうやったら作れるのかを考えてみました。
音楽にしろ映像にしろ、世の中にハマるに値する良質なものはどんどん出てきています。
SoundCloudでもYouTubeでもレーベルやプロダクションを通していない個人制作のものの中に良い物はどんどん出てきます。
だから報酬や評価が欲しい作り手は作品やコンテンツを作り出すための努力だけじゃなく、どうやってオーディエンスや視聴者をハマらせるかの試行錯誤もしないといけません。
もちろんそのためにできること考えられることはきっとたくさんあると思うのですが
今日はそのコンセプトの一つに「正当化」というものを書きたいと思います。
自分の行動を正当化するために何かにはまる
一般的に人間の行動は目的や欲望をかなえるために実行されると考えられています。
しかし実際にはこれと反対のケースもある。
行動してしまった原因をあとからこじつけるということです。
たとえばアイドル。
ちょっとテレビでみたアイドルが可愛かった。
そこでネットで検索した。
その後そのアイドルに関する記事を1時間程読んだ後にファンになってた。
実際かなり多いケースだと思います。
アイドル自体のルックス、パーソナリティー、コンテンツが優れていたからファンになったと考えることはできます。
しかし
これだけたくさんのアイドルがいるなかで、なぜこの人はそのアイドルのファンになったのか。
そこに「正当化」の力が見て取れます。
検索したから、1時間も時間を使ったからその理由あるいは言い訳としてファンになっている可能性が高いのです。
人間は自分が取った行動に対して合理的な理由を強く求めます。
一般的に考えられているのと順序が逆ですね。
私たちはコンテンツがいいからハマるのか、すでに時間や労力を投資したらか「ハマったことにしているのか」をなかなか自分では判断できません。
寧ろ「コンテンツがいいからハマっている」と思い込んでいる傾向がある。
あんなに好きだったアイドルがある日を境にまったくどうでもよくなるのはこのためです。
ハマる強度は費やしたものに比例する
このハマる強度というのはどれだけの労力や時間をそれに費やしたかに比例します。
たとえばそのアイドルへのリンクをクリックしてWikiやホームページにたどりついた場合と検索窓に名前を打ち込んでたどり着いた場合だと検索したときのほうがずっと強いハマり強度を作り出せます。
Googleが今のところ世界で一番強い検索メディアである理由はこのためです。Googleに来た人はなにかを入力しないことにはどこページにもいけない。
その都度調べようとしている対象について強い執着を与えた上で移動させる。だから強い影響力を持つことができるのです。
さらに時間。
この記事でマネタイズや評価を得るためには多作が有利だと書きました。
たとえばホームページやYouTubeチャンネル、サウンドクラウドに行ってその人の作品やコンテンツがたくさんあればあるほど、それを見るために時間を費やします。
その時間が長ければ長いほど、「だってこんなに好きなんだから」という理由付けでより強くハマっていくのです。
より強くファンを捕らえるためにはいかに長くコンテンツを見させ続けるられるか、しいてはいかに多くのコンテンツを提供できるかってことにかかってくるわけです。
人気YouTuberの映像本数が多いのも、有名ブロガーの記事数が多いのもここに理由があります。
正当化をメディア戦略のに用いるというアイデアは確かこの本でサラリーマン時代に読んだんだと思います。
長い内容だったので覚えてないのと日本に置いてきちゃったんで確認できませんが、コミットメントさせることで正当化を生み出す戦略が書かれてました。他にも役立ちそうなことが書いてあった気がします。
ちなみに正当化を思い出したきっかけは最近読んだこの本。
正当化をとらえる文脈や趣旨はこの記事とは違いますが、人は自分が相手に取ったネガティブな行動を正当化することよって自分の枠から出られなくなっていく流れが書かれています。
人間関係の本ですがおすすめです。