鬼速PDCAという本を読みました。
PDCAサイクルという考え方が音楽制作において役に立つかという点で書評を書いて見ようと思います。
この本かなり盛り沢山でした。
著者が長い時間書けて確立したノウハウが惜しげもなく公開されていると思われます。
そもそもPDCAとは?
Plan計画 Do行動 Check検証 Adjust調整 の頭文字。
これを繰り返しながらより速い速度でビジネスや技術習得を成功ようという考え方です。
この本では特にPlanの重要性が強調されていて、PDCAが上手く回らないのはPlanを深く考えきれていないことが原因であることが多いそうです。
目標、課題の数値化
何かしら達成しようと思うのならばその目標を数字で把握できるように設定する必要があります。
単純に今月いくら稼ぐとか、何件仕事を取るとかといった具体的な数値に落とし込むことが重要です。
数値化すると、当然いま現状の数値も見えていきますから、期日までの目標と現状のギャップを客観的に数字にして、どうやってそれを達成するかを考えることができます。
ここは音楽制作に関しては当てはめるのが少し難しい部分かもしれません。
「いい曲を作る」とか「人が感動する曲を作る」のような目標はどうしても数値化しにくく主観的な視点にもとづいて判断せざるを得なくなります。
あくまでドライに「SoundcloudでLikeを1000個取る」とか「曲を直接聞かせた人にイイネと言わせる確立を80%」みたいな感じで、強引に数値化しても面白かもしれません。
目標、課題を因数分解
めざす目標を達成するために達成するための課題をできるだけ細かく分解していきます。
たとえば月に平均20万円音楽で稼ぐというのが目標であれば、その目標を因数分解していくわけです。
音楽で20万円稼ぐためにできることは何なのか?
・ストックミュージックで稼ぐ
・依頼に仕事を取る
・ライブをする
さらに一つずつをさらに分解していきます。
「ストックミュージックで稼ぐ」あれば
・オーディオストック、オーディオジャングルなど、他にどんなサービスがあるか?
・月に何曲新曲を投入すれば目標金額に到達しそうか?
・もっと早く作れるようになるにはどうすればいいか?
・もっと売れる曲を作るにはどうすればいいか?
・どんなジャンルに力を入れればいいか?
・そのために学ぶと効果のありそうな理論やノウハウは何か?
課題を切り分けて可能な限り細分化していきます。
仮説であることを忘れない
完全な課題やギャップの把握はできないので「PDCAサイクルを回すなかで課題を洗い出していく」という考え方で取り組むこと。
解決策に自信がなくてもさっさと実行して効果があるかを検証すればいいというわけです。
上での例で言うともしかしたら1ヶ月に沢山の曲をアップロードしても売上はそんなに変わらないかもしれません。
大事なのはやってみて検証するということ。
例えばまず一ヶ月に10曲アップしてみて(数値化してみて)、それが有効かどうかを検証する。
そのための仮説です。
結果はコントロールできない
最終的には実行の最小単位であるToDo(タスク)にまで落とし込むこと。
タスクレベル(やったからやらなかったか)まですべきことを折り下げていけば、そこに関しては事実上コントロールできます。
しかしその後に来る結果はコントロールできません。
上記の例で「もっと早くつくるにはどうしたらいいか?」という課題があるとします。
それに対してできる仮説をToDoレベルまで落とします。
・テンプレートを作る→今取り組んでいる楽曲のフレームをテンプレートにしてみる
・曲の展開パターンをリストにする→パターン採取するための典型的な楽曲を10曲集めてみる
・早朝に制作する→朝4時に起きてみる
・2曲同時に進めてみる→今制作中の曲のミックス段階に入ったら次の曲のピアノスケッチをスタートさせてみる
など
この考え方はこの記事(毎日、淡々と制作できる人になるためにこころがけていること)でも書いたスモーレストステップの考え方と似ていて以前からずっとやってました。
今はスモーレストステップのひとつにチェックと検証のステップを入れるようにしました。
音楽に役立つか?
僕の音楽制作に関しては確実に役に立っています。
特に僕の場合は仮説として物事を考えるという習慣があまりなかった。
結果自分が立てた予想はあらかた正解だと信じてしまっていて、結果がでないときに上手く立ち回れないというケースが多いです。
立てた仮説がまちがっていたとしてそこから方向転換するというのは多くの世界で上手くやれている人たちの共通点かも。
この本でもPはPlanだと書いてありますがPredictionと考えた方が僕にはしっくり来るようです。
自分のためのまとめ
・達成したい目標ができたら数値化と因数分解
・スモーレストステップのひとつとしてC(検証)とA(調整)をおこなう
・常に仮説のもとに活動する