音楽制作

曲をもっと速く作るためにやったこと

投稿日:2017年08月11日 更新日:

自分にとって制作の中で「速く作る」ということは遅かれ早かれ向き合わないといけない問題だということには気づいていました。

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しかし速く作ることによってクオリティーが下がることを懸念すると本腰をいれて取り組めなかった。

鵜呑みにしていてたわけではありませんが、アニメ現場アニメの名作SHIROBAKOでも述べられた

「技術とスピードは実は全く別の問題でね。 年取って技術をみにつけても、一日にかける量はそうは変わらない。」

という言葉がずっと引っかかてもいました。

上手くなっていったからといって早くなる訳ではないということ。

実際に映像音楽をやるようになってからクオリティーは徐々に上がってきたと思うのですが、スピードはほとんど変わってないです。

最近それなりに依頼を頂くようになって、実際に自分の制作スピードに問題を感じるようになってきたので、ここできちんと向き合ってみました。

結果から言うと同じくらいのサイズと情報量の楽曲で約1/2の時間で完成させられるようになっています。

未だ検証中なのですが、1/2にするためにやってたことをまとめておこうと思います。

前提として1曲の完成とは

・インストの2分から3分の楽曲
・自分の作品として発表したりクライアントに納品できるクオリティー

これを平均4日で作っていたのですが、半分の2日で作れるようになりました。

効果のあったこと

1.リファレンスを決める
2.要素を全部書きだす
3.視覚リファレンスを決める
4.考えられるタスクを全部書き出す
5.コンポージングとミックスは分ける

1.リファレンスを決める

これは以前からやっていたことでした。

自分の作品を作るときでも、納品する制作のときでも参照する作品を決めてから取り掛かります。

(むしろ仕事の場合はクライアントさんからリファレンス曲を指定されているケースが今のところはほとんどですが。)

とくにDAWで音楽を作る場合はリファレンス無しで曲を作ろうとすると、あまりにも選択肢が多すぎます。

世の中に存在するほとんどの一般的な楽器を使うことができるし、あらゆる理論や情報をネットで調べながら作ることができるわけですから、ある程度の方向性が絞れないと曲はいつまでも完成しません。

2.要素を全部書きだす

ここでは1.で設定したリファレンスが活きてきます。

このリファレンス曲と同じ楽曲を作ると仮定して作業を進めていくのです。

その楽曲でなっている要素を全部書きだしていきます。

キック、スネア、ハイハット、ギター1、ギター2、ピアノ、シンバル、シンバルリバース、ライザー、、

といった具合に耳に聞こえたものを全部書きだします。

もちろん実際の制作においてこのリストと全く同じ構成にするわけではありませんが、それぞれに対応する別の楽器をあてはめていったとして、それ以上の要素が増えないように気をつけます

とにかく作曲に慣れた人が楽曲をダメにする大きな要素の1つが「やり過ぎ」です。

例えば対位法を勉強したら、3つ以上の声部が巧みに絡み合ってる楽曲を書きたくなりますが、クライアントワークの場合ほとんどそういった部分は求めらません。

なおさら自分の作品の場合では「こんなことができますよ」っていう感じに音を足してしまいがちです。

でも音楽として一番美しいポイントはその自己顕示欲求が満たされるよりも前にあるみたいです。(自戒です。)

そういった視点で、曲を作って行く上で、ここで作ったリストの要素数を越えないように抑えていきます。

リファレンス曲中になってる全楽器のリストを作って把握し、それに従うと決めてしまうことで、この「やりすぎてないか」「どこまでやるか」の判断が早くなります。

3.視覚リファレンスを決める

またしてもリファレンスです。

映像用の音楽であれば想定される映像をDAWに貼り付けます。

作品曲や映像を伴わないプロジェクトの場合でも喚起したいイメージの映像(自分の目指す雰囲気の映像作品など)を探して貼り付けます。

音色やメロディーなどで迷った時の判断で、どちらの方がその映像にマッチするかを判断材料にすることで無駄な思考時間を減らすことができます。

DAWに映像を貼り付ける機能がなければ曲のプレイバックと同時にYouTube等を再生させて確認するという方法もあります。

もし映像がなければ画像でもありだと思います。

自分の目指すCDのジャケットの画像を拾ってきて、表示させておくという方法も有効です。

「このジャケのCDに入ってる曲だったらどっちのメロディーが採用されるだろうか?」と考えて判断するのです。

幾つかのメロディーが浮かんでいて、どれもありな状況のときなどは判断がかなり早くなります。

迷う時間を減らしましょう。
速く作ればもう一曲つくれます。
そのもう1曲の中でそこで使わなかったアイデアを使うこともできるかもしれません。

4.考えられるタスクを全部書き出す

1.で設定したリファレンス曲を作ると想定した場合のタスクを考えられる限り上げていきます。

その際に2.で書き出した要素のリストを参考にしながら作ります。

フックのメロディー
フックのコード
ヴァースのメロディー
ヴァースのコード
ドラム基本パターン
フックのメロ音色
ストリングス
ブリッジに登場する要素
ライザーの場所
ライザーサンプル
ライザー作る
シンバルの場所
etc

こんな感じで思いつく限り書き出して行きます。
20から30くらいのリストができあがると思います。
もちろん実際の作業のなかでは必要のない工程もリストされるかもしれませんが、大事なのはかなりの数の「どのみち完成までにやらないといけないこと」が分かるということです。

実作業のなかでは常にこのリストに上がっている「どのみちやらないといけいないこと」を淡々とやっていくのです。

さらに作業の中で当然リストの内容は変わっていきます。

曲の展開によって必要な新たなタスクが現れ、不要なタスクは消えます。

このリストなしで制作をすると無駄に何度もプレイバックしてしまったり、次の段階にいける状況なのに足踏みして不要な作業にふけってしまったりします。

これは「ある一定の完遂に対してこのくらいは時間をかけなければいけない」という思い込みが原因だと思います。

スピードを上げるにはこの思い込みを外さなければいけません。

リストを作ることで曲の完成に対する作業の貢献度と実作業時間は比例しないということが感覚的に分かってきます。

5.コンポージングとミックス作業は分ける

作曲やアレンジをしているときに「また後からミックスの段階でやる作業」をすることを禁じます。

一般的にDTMは作曲とミックスの境目がないことが1つのアドバンテージだと考えられていますし、著名な作曲家のインタビューを読んでいてもアレンジの完成がすなわちミックスの完成だという発言を目にします。

ひとつはそれも真実なのかもしれませんが、とくにスピードの面で見ると、このやり方はデメリットの方が大きいように思います。

例えばキックの音色に時間をかけることは、もはやそれ自体を楽しみにしている人は多いです。

キックを単体で探してきて最初にEQやコンプで調整しても、ドラムの他のパーツをいれたら状況は変わります。ベースを入れたまた変わるし、他の楽器が乗ったらまた変わります。

その度ごとにプラグインを挿したりEQを調整していると当然そこにかなりの時間を割く事になります。

こういった作業はアレンジ終了後ミックスの段階になってややると決めて、それまでは手を付けない方がいいと思っています。

無駄に調整している時間を失わずに済むというのが一番の理由ですが、それ以外にも「この音は既にプラグインをかけて調整した」という思い込みがミックス段階での判断に強く影響してまうということも重要です。

ミックス段階に入ってなるべくフラットに考えた方が結果的には上手くいように思います。

もちろん例外もあり、音源ソースの段階で明らかに低音が出すぎているとか、ディレイ音こみでメロディーを組むなどと言った場合は予めかけていいと思います。

__

以上のことをやってほぼ倍のスピードに上がりました。

上記の通り約3分の楽曲で自分が納品するのに納得できるクオリティーで完成させるのに現状2日(約10時間)で完成するようになりました。

 

 

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